髭（ひげ）は危険なことがある

のりのり麻酔科医です。

今回は、「髭（ひげ）」と「麻酔」のお話しです。

一見、なんの関係もないような両者ですが、

実は、全身麻酔を受けられる方への、意外な注意点として「髭（ひげ）」があるんです。

「全身麻酔」でしっかり眠って頂く場合、ボク達麻酔科医はマスクを使って呼吸を助けます。

↓こういうやつで

出典：Smiths Medical　ホームページ

このマスクには呼吸器からホースがすながっており、手動や自動で圧をかけて酸素や空気を肺に送り込むことができるんです。

↓こんなかんじ

出典：JAAME 公益財団法人医療機器センター　ホームページ

ちなみに、コレを「マスク換気」といいます。

そのため、マスクが顔にフィットしないと酸素や空気がマスクと顔の間からもれてしまって圧がかからず、呼吸を助ける事ができなくなる可能性があるんです（汗）

恐ろしいですよね（汗）

また、全身麻酔後に「気管挿管」といって、口や鼻から呼吸をするための管を入れさせてもらうことがあるんですが、このチューブの固定はテープで行うんです。

なので、ヒゲがぼーぼーだとテープが外れて、これまた危険な可能性があります。

そんな訳で、「どうしても宗教上の理由等でひげが剃れない」などの特殊な場合を除いて

麻酔のときにはひげを剃って頂くのが基本です。

どうしても剃りたくない方で、「ちょびひげ」や「あごの一部だけのひげ」など、微妙なときは担当の麻酔科医とあらかじめ相談するのがよいと思います。

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