麻酔の種類
公開日:
:
最終更新日:2016/11/02
麻酔の説明書
手術が決まった方へ
のりのり麻酔科医です。
「手術をしましょう。」
まさか自分が手術を受けるとは思っていなかった方がほとんどだと思うので、
きっと大きなショックを受けて、たくさん不安を感じてらっしゃると思います。
経験が無い事って怖いですもんね。
なかには何をするか知ると余計怖いという方もいらっしゃると思いますが、どんな事をするのか知識を得る事で不安が軽減する事もあると思います。
なので、ここではまず麻酔にはどんな種類があるのかを大まかに説明し、また別の機会にそれぞれの麻酔方法について詳しく説明したいと思います。
麻酔の種類
麻酔は処置や手術をする際に患者さんの痛みや辛さを取り除く手段です。
現在手術の際に行われている麻酔方法には、大きく分けて以下のようなものがあります。
局所麻酔(きょくしょますい)
浸潤麻酔(しんじゅんますい)ともいいます。歯科治療で受ける方が多いと思います。歯科以外でも手術をする部位に直接局所麻酔薬を注射して痛みをとる麻酔です。
広い意味では”全身麻酔以外の麻酔”のことを言います。
硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔・表面麻酔も「局所麻酔薬」を使用するので「局所麻酔」に分類されますが、麻酔方法として説明される「局所麻酔」は通常「浸潤麻酔」をさすことが多いです。
部分麻酔(ぶぶんますい)
おそらく専門用語ではありません。使っている人によって意味するところが違うようです。ふつう全身麻酔以外の麻酔を指していると思われます。局所麻酔・硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔・末梢神経ブロックのことを指していることが多いです。
全身麻酔(ぜんしんますい)
眠る麻酔です。ほとんどの場合、呼吸を助ける管を口から喉に入れる必要があります。
硬膜外麻酔(こうまくがいますい)
背中に注射をして薬を注入するか、カテーテルという細い管を入れていつでもお薬を入れられるようにします。
主に術後鎮痛として使われます。硬膜外麻酔単独で手術する場合もありますが、ほとんどは全身麻酔や脊髄くも膜下麻酔と併用して行われます。
脊髄くも膜下麻酔(せきずいくもまくかますい)
(=脊椎麻酔(せきついますい)/腰椎麻酔(ようついますい)/下半身麻酔(かはんしんますい))
色々な呼び名がありますが、すべておなじ麻酔方法です。背中の腰の部分に注射をしてお薬を入れます。
単独で手術をすることもありますし、硬膜外麻酔と併用して行われることもあります。
末梢神経ブロック(伝達麻酔)
からだのほとんどの部分にもできる注射の麻酔です。注射をした神経が担当している部位だけに麻酔を効かせることができます。
単独で行われることもありますが、鎮静や全身麻酔と併用して行われます。
鎮静(ちんせい)
全身麻酔と思い違いされていることが多いです。
「全身麻酔を受けたけど、途中で目が覚めた」という方の多くは鎮静だと思われます。
”静脈麻酔(じょうみゃくますい)”とも説明されることがあります。全身麻酔までは深くありませんが、手術中軽く眠って頂く麻酔です。
以上が主な麻酔の分類です。
手術や処置の際は以上のような麻酔を単独で行ったり、2つ以上組み合わせて行うこともあります。
今回はまずイメージがしやすいように、全体を簡単に説明しました。
それぞれの麻酔については別の記事で説明したいと思います。
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