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造影剤の誤投与で患者死亡

公開日: : 最終更新日:2017/11/22 ニュース, 医療・サイエンス

注射器2

 

女性研修医が造影剤誤投与、女性患者死亡 医療研究センター - MSN産経ニュース

国立国際医療研究センター(東京都新宿区)は18日、レントゲン撮影時に造影剤の誤投与があり、検査入院していた都内の女性患者(78)が死亡したと発表した。整形外科の女性研修医(29)が本来使用してはいけない薬剤を脊髄に投与、ショック性多臓器不全が起きた。センターは重大な医療事故と判断、警視庁牛込署に届けた。

というニュース。

 

のりのり麻酔科医です。

まずはじめに、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。

記事を読む限り、本来髄腔内(脊髄くも膜下腔内)に投与が禁止された薬物を投与したことによって起きた医療事故のようです。

こういった医療事故が起きたとき、原因解明と今後の安全対策が見直されるのはいうまでもありませんが、最も重要なのは「誤投与した医師の責任」で終わらせない事です。

 

たしかに、誤投与した医師の知識不足も問題ですが、脊髄造影の際に「脊髄造影で使ってはいけない薬剤」が出てきた(あるいは常時手に届くところに置いてある)という「システム」も問題だと思います。

 

私は麻酔科なので、常に薬剤の「誤投与」と隣り合わせて仕事をしています。

麻酔方法によっては必要なお薬の種類が多く、同じサイズの注射器がいくつもあり、すべて透明な液体だと一見して区別がつきづらいので、注射器にマジックで薬の名前を書いておくだけでは間違えて投与してしまう可能性があります。

そのため、麻酔科医は劇薬や血管内投与してはいけない薬が一目でわかるように、色の違うシールをつける、色の違うペンで大きく印をつける、術前・術中・術後で使う薬を違うプレートに置く、など一種の「システム化」をして誤投与を予防しています。

あらためて、「人間は間違うもの」「ヒューマンエラーが起きる」という前提の危機管理の重要性に気づかされました。

 

身が引き締まる想いです。

 

 

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